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私は呼吸を整えてから、さっきのことを話した。
「友達に、屋上に行ってることバレちゃって」
「あら」
「『危ないからダメ』って言われたんですけど、帝先輩とお話したり空を眺めたりするのが出来なくなっちゃうって思うと……すごい寂しくなって」
「…………」
「だから、逃げてきたんです」
「……そっか」
癒ちゃんに逆らうのはこれが初めてかもしれない。
そう思うと、癒ちゃんかなり怒ってるんじゃないかって不安が募った。
「その友達って、どんな子なの?」
「えーっと……」
私は癒ちゃんのことを考えた。
「優しくて、たまに厳しくて、しっかりしてて頭も良くて、サバサバしてるけど、私が落ち込んでたり泣いてたりすると暖かく包み込んでくれる……お母さんみたいな存在です」
「ふーん……」
すると帝先輩は考えるような素振りを見せ――。
「言っちゃったら?」
「え?」
「その友達に、ここのこと」
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