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私が、帝先輩を好き――?
放課後、屋上のドアの前で、私は考えていた。
――――
『私は……先輩が好きなの?』
『えっ? 自覚ないの!?』
『うーん……』
『だって、その先輩に会いたいとか、話したいって思うんだよね?』
『うん』
『それも毎日?』
『うん。休みの日も、会えたらなーって思うよ』
『乃々香……それは恋だよ』
――――
「……恋…………」
恋なんてしたことない。
どんなものなのか分からない。
帝先輩のことは好きだけど、それって恋の好きなのかな……。
「――って、そんなこと考えてても仕方ないか!」
首をブンブンと横に振って頭の中をリセットすると、私はドアノブを回した。
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