第3章「屋上の君が好き?」

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「ねえ、癒ちゃん」 昼休み、私は癒ちゃんに聞いてみた。 「恋って何?」 昨日、帝先輩に聞けなかったこと。 癒ちゃんは一瞬止まって、それから腕を組んで考え始めた。 「昨日も言ったけど……その人に毎日会いたとか、話したいって思うことじゃない?」 「それだけ?」 「うーん……私もあまり恋なんてしたことないからなー」 2人で考えていると、誰かが近付いてきた。 「なになに? 恋バナ!?」 満面の笑みでやって来たのは、藤大牙(ふじ たいが)君。 いつも笑ってて明るい、クラスのムードメーカー。 「恋のことなら俺に任せなさい!」 「えー」 胸を張って仁王立ちをしている大牙君に、癒ちゃんは不満そうな声をあげた。 「藤って恋愛経験豊富だっけ?」 「豊富だぜ! 俺昔っからモテモテなんだから!」 「自分で言うのそれ」 2人のやり取りを見ていると、癒ちゃんと大牙君は結構仲が良いみたい。 「(知らなかったな)」
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