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激安スーパーなだけあって、商品は本当に安かった。
「2リットルで150円……!? ケース売りだともっと安い! 何ここすごい!」
スーパーなんて滅多に行かない私は、この安さに驚きを隠せなかった。
癒ちゃんから渡されたメモ帳に商品名と値段を書いていく。
オレンジジュースだけでも種類がかなりあって、思ったより時間がかかってしまった。
「よし、次はアイスコーヒーを――!」
ドン、と軽い衝撃があった。
前を向いてなかったせいで、誰かにぶつかってしまったらしい。
私は慌てて頭を下げる。
「あわわっ、ごめんなさい!」
「あれ? 君って」
相手の人は、私の顔をまじまじと見はじめた。
――服装を見ると、私と同じ学校の制服を着ていた。
体格的に1年生ではないことは分かる。
「あの……?」
「やっぱり!」
突然、私とぶつかった先輩が大声でそう言った。
「今日あいつに話しかけてた子だ!」
「あいつって?」
その隣にいたもう一人の先輩が首を傾げる。
「ほら、あいつだよ!月城帝!」
「あー! 月城帝か!」
二人は、驚いた表情で私を見た。
「あいつに話しかけるなんてすげー度胸だな」
「いやいや、人違いだろ! 月城帝に話しかける奴なんていねぇよ」
「え…………?」
どういう意味?
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