第4章「屋上の君の秘密」

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戸惑う私に構わず、先輩たちは話を続ける。 「あいつ本当やべぇよな。いっつも睨んでてさ」 「だよなー。近付いただけで殴られるし、あいついると場の雰囲気悪くなるし、何で先生は放っとくんだよ」 「あれ、お前知らないの? 1年の時に先生ボッコボコにしたから、怖くて逆らえないんだよ」 「え、マジ!?」 「噂で聞いただけだけど、マジっぽくね?」 「まぁとにかく、月城帝にはもう近付かない方いいぜ。何されるか分かんねぇからなー」 最後に先輩はそう言って、私の前からいなくなった。 「…………」 頭がついていかない。 睨む……? 殴る……? そんなこと、帝先輩がするわけない。 するわけないのに…………。     「乃々香……?」 振り返ると、心配そうに私を見つめる癒ちゃんの姿があった。
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