第4章「屋上の君の秘密」

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「人に話すのが――怖いんだ」 「え……?」 私の頬に手を当ててるまま、帝先輩は言う。 「話すと皆……離れていくから」 私の涙が移ったのか、帝先輩の瞳が潤んでいる。 泣いてほしくない。 帝先輩にはいつも笑っていてほしい。 皆が離れることで帝先輩が泣いてしまうなら、私は…………。 どんなことを聞いても……私は……。 「離れません。……絶対に」 安心して、とでも言うように、私に触れている帝先輩の大きな右手に自分の小さな手を重ねた。
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