6人が本棚に入れています
本棚に追加
「人に話すのが――怖いんだ」
「え……?」
私の頬に手を当ててるまま、帝先輩は言う。
「話すと皆……離れていくから」
私の涙が移ったのか、帝先輩の瞳が潤んでいる。
泣いてほしくない。
帝先輩にはいつも笑っていてほしい。
皆が離れることで帝先輩が泣いてしまうなら、私は…………。
どんなことを聞いても……私は……。
「離れません。……絶対に」
安心して、とでも言うように、私に触れている帝先輩の大きな右手に自分の小さな手を重ねた。
最初のコメントを投稿しよう!