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――2年前。
俺には妹がいた。
2歳年下、当時中学2年の妹――月城美愛(つきしろ みちか)。
俺と同じクリーム色の髪で、俺と真逆のストレートヘア。
元気で甘えん坊の妹。
「お兄ちゃん!」
「美愛」
ある日の夜、美愛はしかめっ面で俺の前に現れた。
「何であたしのアイス勝手に食べたの!?」
「あー……」
それは、美愛の大好物――パリッとしたチョコがアクセントのモナカだ。
5日も冷凍庫に入れっぱなしだったため、俺はてっきり忘れてるんだと思って食べてしまったのだが、美愛は金曜日の今日まで楽しみに取っておいていたらしい。
俺は両手のひらを合わせて謝る。
「ごめんごめん。土曜日の文化祭でいっぱい奢るから許して!」
「許さない! あたしは今日までずっと楽しみにしてたんだから!」
「ごめんってー」
「お兄ちゃんのバカ!!」
そう言って、美愛は部屋を出て行ってしまった。
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