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数分後、俺は自由時間になった。
「何から食べる?」
隣を歩く美愛に聞くと、パンフレットを見ながら迷う素振りを見せた。
「う~ん……何から食べようかな~?」
「とりあえず飲み物でもどう? 俺喉乾いちゃった」
「じゃあここ! タピオカ!」
「りょーかい」
――――1時間後。
「はぁ~食べた食べた!」
タピオカ、クッキー、チョコバナナ、焼き鳥、フライドポテト、冷やしパイン……と、美愛は出店のほとんどを食べ尽くした。
それでもまだ足りないのか、2年4組が経営しているカフェで紅茶とケーキを嗜んでいる。
自分の妹の胃袋がこんなに大きいとは知らず、俺は目を疑った。
「み……美愛って……こんなに大食いだったっけ?」
「こういう時だけは別なの!」
別腹……というものなのか。
その辺はよく分からないが、満足そうに笑っている美愛の顔を見ると、俺も自然と顔が綻んだ。
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