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けれど、会釈をして横を過ぎて行こうとする穂高を見て、申し訳なくなった綺斗は、思わず声を掛けてしまった。
「穂高 」
「……何ですか? 」
振り向いた穂高に綺斗の心臓は跳ね上がる。
「あ、あの…な…… 」
呼び止めたはいいが、話すことがない。
綺斗は頭の中で必死に、その理由を考えた。
そして、パッと浮かんだ言葉。
「か……、歓迎会っ! 」
「歓、迎会……? 」
「そうだよ、穂高の歓迎会、まだしてないだろう。 これから皆の予定を聞こうと思ってるんだが、お前いつ空いてる? 」
我ながら、良いことに気付いたと綺斗は自分を褒めてやりたくなる。
けれど、穂高は少し考えるように、口元に手をあてた。
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