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「棗がちゃんと夏帆の面倒見てくれるみたい…。」
電話を切って、ホッとした顔を彼に向けた。
「そっか、俺達も自宅でゆっくりしよう。」
「まだ早い時間だしね。帰ったらワイン開けちゃおうか。」
「綾華、とりあえず……
何も考えずに俺達の時間過ごそうな。
今度の休み、綾華のご両親に挨拶しにいこう。」
「え?」
車を路肩に停めると、私の方を見つめた。
「俺は、ちゃんと考えてる。
来年のお前の誕生日に結婚しよう。」
「尚……澄。」
彼の手が私の手に触れる。
ジャケットのポケットから小さな箱を取り出した彼は、私の手に…乗せた。
これは指輪。
エンゲージリング。
ハートの形になったダイアモンド。
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