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私に一切の不利益はない。 だけど、このまま彼の提案を鵜呑みにするのが少しだけ不安だった。 「そうですねぇ……。」 一瞬、意地悪そうな笑みを浮かべた秀臣さん。 再会して感じた素直な印象は、このずるい一言でガラガラと崩れていく。 「無理だと仰るなら、仕方ないので他の人を探します。」 「そんな……!!」 どうやら、私には断るという選択肢はないらしい。 この条件を飲めば、今まで抱えてきた思わしくない問題が全て終息する。 素晴らしいこのチャンスを、みすみす見逃す手はない。
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