第1章

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この緊張は小坂兄弟に初めて会ったからなのか。 それとも... 小坂君に憑いてる今まで見たことのないタイプのオーラが出てる幽霊と目があったからなのか。 きっと後者だろう。 ハツちゃんがガタガタと震えている。 こんなの初めてだ。 途中、実君の弟である登君が挨拶していたけどそれすら聞こえないほどその幽霊に集中していた。 「ハツちゃん...」 小声で話しかける。 「もしかしなくてもコイツ...」 「悪霊?」『悪霊よ。』 もう一度ソレを見る。 ...目が...あった... 速攻でそらすがバッチリ合ったものは取り消し不可能。oh my got... しかし、何のアクションもない。 なんだ...。 少しガッカリした気分でキャンプの定番(バーベキュー)の準備をし始めた。 ふと小坂君を見ると鉄板を運んでいる額には大量の汗が見える。 そりゃ人一倍苦しいよ、悪霊が小坂君の首を絞めつけているのだから。 小声でハツちゃんに話しかける。 「小坂君の休止の原因って絶対コレだよね。」 『間違いないわね。』 「どうにかできないの?」 『私も初めて見たのよ!浄化の仕方がわからないわ!』 ハツちゃんの額に汗がにじむ。 あぁ、幽霊も汗をかくのか...。 〔あなたには悪霊がついてます。私がその悪霊を払うので協力して下さい。〕 いやいやいや、駄目だろ...。 まずはコミュニケーション。 よし、コミュニケーションで仲を深めて...それからいろいろ考えよう。 大丈夫。大丈夫だから。 キャンプは2泊3日。 この3日間で私が小坂実君を救う! 「あんた、そんな変なヒーローみたいなポーズしてて恥ずかしくないの?少しは手伝ったら?」 姉のひとことで我に帰る。 え、私そんなポーズしてたの...。 小坂君を見る。 相変わらず悪霊が首をしめつけている。 とても苦しそうだ。
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