第1章

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はじめにいっておこう 私は”視える”人間だ なにが? さて、問題です。私は何が視えるのでしょうか。 ①お化け ②幽霊 ③ゴースト 正解は... 上の全て。 そう、私は視えるんです。 視えるようになったのは中学3年生の秋。 受験に追い込まれてとても大事な時期に視え始めた。 今まで全く視えたことがなかったのに 何の前触れもなく。突然。 それまでは普通の女子中学生だった。 どれくらい普通かというと ・名前は佐野 愛(さの あい) ・住まいは千葉県の一軒家。 ・両親健在で兄が1人姉が1人。 ・佐野家の次女にあたる。 ・地元の小学校を3度欠席して皆勤賞はとれず卒業。 ・地元の中学校へ入学。 ・とりあえず楽そうな美術部に入部。 ・特にこれといった賞はとらずに引退。 なんの突飛もない普通の中学生だったのだ。 視えると気づいた日のことはよく覚えている。 中学校生活最後の夏休みもぐーたら過ごし、宿題を最終日に残して徹夜で仕上げて始業式。 9月1日 体育館の壇上で半分以上の生徒は聞いてない話を長々と話す校長の後ろに人影が視えた。 その日は特に気にせず帰宅 9月2日 用を足し手を洗っている時ふと見上げた鏡に写っている自分。の後ろにいる髪の長い女。 落ち着け...きっと後ろを振り返ったら誰もいない!とかいうやつなんだろう。 驚かない。私は絶対に驚かないぞ、と後ろを振り返ったら髪の長い女がニタァ... 思わぬサプライズにビックリ☆ 腰を抜かした私に彼女がこう言った 『あなた視えるの?』 喋るはずないだろうという謎の先入観のせいで私はこの日人生で1番驚いたで賞を受賞した。 これが私の視え始めた記念日。 これから突飛な日常が始まるんだろうな、と覚悟を決めた日でもあった。 .
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