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帰宅し母にドヤ顔で成績表を見せつける。
「わ・た・しにしては上出来~?」
ハイテンションな私に、当たり前のことで喜ぶなと説教をする母。
まぁ、そんなの痛くも痒くもないんだけどね。
今の私はダイヤモンドより丈夫なハートだから。
「私もお兄ちゃんも頭いいのになんでアンタはそんなに馬鹿なの?」
グサッ
お姉ちゃんからの言葉に私のダイヤモンドに少しのヒビが入る。
末っ子だからいいんだもんねぇ~と意味のわからない言い訳を残して自室へ逃走。
父も母も兄も姉もみんな頭がいい。
高校も大学も名前をいえば皆がわかるような学校へ通っていた。
そんな皆がよくいうことは「勉強楽しい」
解せぬ。
私は現在ど底辺の高校でど底辺争いを日々繰り広げている。
頭が良くない変わりにこの変な能力を手に入れることが出来たのだから言うこと無し。
『ねぇ、愛ちゃん...窓見てみて。また来てるよ。』
ハツちゃんの言葉で窓を見る。
そこには4歳くらいの女の子がいた。
確認するがここは2階だ。
よってもちろん彼女は人間ではない。
こういったサプライズ訪問は初めこそ驚いたものの5回目からは慣れて当たり前のことのように思えてきた。
少し自分が恐ろしく感じる。
ーーーガラッ
「どうしたの?」
女の子に話しかける。
『お姉ちゃん私が視えるの?』
テンプレート。
「そうだよ。何か用があってココに来たんでしょ?名前はなんていうの?」
これもテンプレート。
『みゆっていうの。みゆ、いつのまにとうめいにんげんになったんだろう。だれもきづいてくれないの。おかあさんもいなくなっちゃったし...。』
「そうかぁ...それじゃあ、みゆちゃんには特別にお母さんと会える方法を教えるね。目をつぶって楽しいことをずっと考えて。絶対に目を開けちゃダメだよ。楽しいこと、楽しいこと。」
『楽しいこと?楽しいこと...』
そう言うとみゆちゃんの身体がどんどんと薄くなって行き最後には消えていなくなってしまった。
簡単に言えば天国にいったのだ。
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