ぷろろーぐ

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------- 親愛なるギルバート伯爵様 ギルバート伯爵様、佐渡島の征服、あと少しですね。 ギルバート伯爵様のご活躍振りはこの潮風に乗り私の耳にも届いております。 私は今、奄美大島へ向かうべく船の上、未だに見えぬ地に思い馳せております。 私も一介の軍団員幹部。 直ぐにでも奄美大島を征服する事をお約束します。 悪の軍団 インザガレット幹部 エルヴィより ------- メールを送信しますか? 携帯の画面を見つめ私は固まってしまった。 書いた内容が薄い。そう私には書くべき事がまだないのだ。 奄美大島を征服する為に東京からフェリーに乗って来たのだが、2日たってもまだ着かない。まだ何も成していない。 船に乗って初日は綺麗な海に心躍って、ワクワク、ドキドキしていたのだが2日目ともなり同じ光景が続くとさすがの私でもこの光景に慣れてしまう。 デッキの上で沈みかけた太陽に目をやり再び携帯を覗き込む。 「メールを送信しますか?」 YES 何もないから仕方がない。迷う事だけ時間の無駄だ。 私の良い所はウダウダトと悩み考えないところだ。 ム~ム~ム~ 直ぐに携帯が鳴った。 ------- 親愛なるエルヴィ 奄美大島の征服は明日からだな。 がんばれよ。 ドンギルバート ------- ムフフフ。 パタンと携帯を閉じる。 あ~~ん。嬉しい。さすがドンギルバート様。 やってやるとも、奄美大島の征服支配☆ やる事は簡単さだって今奄美大島を支配している人を倒して私がそこに立てば良いのだから。 私はメガネっこ。髪は長くまじめで大人しそうな見た目だけど、実は空手の有段者。 奄美大島の支配者は誰かって? 奄美大島の市長? ええ全然違います。 「待っていろよ富山 静留(シズル)82歳ww」 奄美大島の古仁屋という町に住んでいるという奄美大島の真の支配者。 メッタメタにしてやんよ。親指を下に立てる。 口元がにやける。 「おかぁさん。またおねぇちゃんが病気。高2なのに中2」 「鈴音ぇ~~あんた、いったい何時間外に突っ立ってるの!!もう中にはいりなさい!!」
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