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メッタメタにしてやんよ奄美大島
某4月1日 天候 晴れ。
まだ夜も明けない朝の5時。
フェリーは奄美大島の港に到着した。
奄美大島の場所はもちろん日本人であれば誰でもが知っている有名な島。
極々稀に、奄美大島って東京の下でしょ?とか。
沖縄の島だよねとかとか。
アホなバカ人間も居るけれども奄美大島は鹿児島で、本土の鹿児島と沖縄の間にある大きな島だ。
なんてったって日本ではドンギルバート様の佐渡島に続いて2番目の大きさを誇る島なのだから。
久しぶりの陸地。
ん~~~と伸びをする。未知の土地。私の土地。ワクワクが止まらない。
到着したこの港は名瀬新港。この島一番の人口を誇る奄美市名瀬に到着した。
「なかなか発展してんじゃない。」
奄美大島には古臭い家や畑ばかりの場所とイメージしていたが、実際は違うようだ。コンクリートの建物で溢れている。
フェリーから降りたのは良いものの、どこで時間を潰そうか。
降りた場所には何も無かった。
売店は?コンビニは?
ようこそ奄美大島へのお迎えは?
首に花束掛けてくれるんじゃないの?
薄暗い中、バスのロータリーに1台のタクシーが止まっているだけだった。運転手が今にも「乗るの?乗らないの?」と声を掛けてきそうな雰囲気をかもしだしている。
降りた正面からはグランドが見えた。どうやら正面にあるのは学校らしい。
「お~~い、こっちだこっち」
薄暗い中大きく手を振っている人がいる。
まぎれもない。
私の父だ。
「あなた、お迎えご苦労様。」
「お父さん!!」
弟が父に抱きつく。
「おお拓也久しぶり。大きくなったなぁ」
えへへへと満面な笑みを拓也が浮かべる。
「すずちゃんも元気にしてたか?」
「ん。まぁまぁね」
「何だすずちゃんその淡白な返事は、反抗期か?ほらパパの胸に飛び込んできていいんだぞ。」
「パパ」
「すずちゃん」
拓郎の元に駆け寄る。真っ先に飛びついたのは私の右足だった。
「グッフ。。。・・・す、すずちゃん。久しぶりに綺麗な正十字蹴りするのは止めなさい。」
「はぁーーい」
「いきなり人を蹴り上げる何て、ますます美咲に似て来たな。」
「あなた、刺すわよ☆」
まだ日が昇らぬ薄暗い中、ワイのワイのと私たちは新居に向かうのだった。
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