0人が本棚に入れています
本棚に追加
「だれか?名前を呼んだかい?」
分からない振りしてるが私、睨まれてる。
とってもとっても、睨まれてる。
名前を呼んだかいって。年齢がタブーだったのね。
くっ。まさかこんな所で出くわすなんて。
82歳。82歳ってこんなにも?
富山静留。
もっとヨボヨボで杖でも突いたショボショボのお婆ちゃんだと思ってたのに!!!
「ちょいとそこのお嬢ちゃん」
「おい、すずちゃん。呼ばれてるぞ」
分かってるわよバカ拓郎。
先手を取らないと。ここで私が先手を取らないと。
作戦プランD。急に奇襲された時。えーっとどうすればいいんだっけ。
「ホレ行って来いよwww」
「うっ」
肩を押されトントントンと前へ出る。
「あっあーー私、ええーっと」
「元気そうなお嬢ちゃん。ちょいとコレ持っていておくれ」
そう言われズシリと重い辞書のような古い本を渡される。
先手を取られた!!
「ふーー。年寄りにはちょっと重くって。年寄りには」
うっうっう。恨まれてる。いきなり私恨まれてる。
最初のコメントを投稿しよう!