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『出るよ?』
左手がいつもの出発の合図を私に伝える。
今日のイレギュラーなお迎えに
テンションが上がりまくっていたからかな?
思わずその、手を握ってしまって
「あっ」
とても、自分でビックリした。
振り向いた先輩と
ガッツリ、視線が合いまくる。
真っ赤に染まっているだろうけど
メットが目とその周辺以外を隠してくれているお陰で
赤いトマト的な私の顔は見えないだろう。
『すみません』
慌てて離した手で
一文字ずつ、謝罪を綴り
その図々しい手を引っ込めた。
ドキドキは変わらない
いや、変わらないどころか
ひっくり返りそうなほど跳ねる心臓。
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