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「ね、ね、杏」
「な、なに?」
部活後の部室は熱気に溢れていて
特有の匂いで充満する。
汗拭きシートと制汗スプレーのその香りが
混ざり合って
ちょっとびっくりするくらいの
混雑と
アラレもない格好。
女子校だったらこの何万倍の凄まじさがあるらしいと聞くんだけど、一体どんな事になっているんだろうか。
「杏さ、御剣先輩とどんな風に付き合ってるのさ」
「はぁ?」
円がズズン、と私にその素晴らしい膨らみを見せつけながら
寄り付いてきた。
「あ、だよねー」
「聞いてみたかった!ソレ!」
「いや、ちょ。みんな……」
私の言い分なんて聞いてもらえないのは
いつもの事で
「ね、もー、シちゃってるんでしょ?」
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