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「悪かったなこないだは」
「え?」
私は思わず左側を向いて
しまった、と後悔する。
「腕、なんともなかった?」
「大丈夫です」
「風邪ひかなかった?」
「……はい」
そ、そんな事まで気を遣われたら私、倒れるから、やめてください。
ビックリが度を超して
その次に忘れていた恥ずかしさがフラッシュオーバー現象さながら襲ってきて
慌てて俯いた。
「……速いんだな、走るの……」
「……」
もう、何を言われても<緊張+恥ずかしさで
顔すらあげられない。
走るの、って
この前のタイムトライアルの事、かな……
それなのに
先輩の言った事は理解し難くて。
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