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「あー、笑った、マジうけ」
笑った顔も
ホントに舐めたいぐらい素敵すぎて
もう、私、今日このまま
夢のような時間のまま、眠ってしまいたい。
「ごめん、こっち向いてくんないと、ちょっと
分かんないんだ」
「?」
首を傾げる私に対して
とびっきりの笑みを返してくれた先輩は
その頃の私が想像できる範疇外の事を
サラリと、しかも、平然と言う。
「聞こえないんだ、オレ
だから、何言ってるか唇で読む」
重くのしかかった先輩の笑顔
今迄の自分の浮かれ具合が否定的に思えた瞬間だった。
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