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先輩が部屋の真ん中に座ると
とても、圧迫感があった。
『狭くてすみません』
『杏の身体の大きさからすると、ピッタリじゃない?』
ハハハハハと声を出して笑う先輩。
『先輩、どうしたんですか?今日』
『あー、ほら、1週間ほど休むって言ってただろ?』
私はカクカクと頷いた。
鼻の頭をカリカリと指でかいた先輩は
瞳だけを私に向けていて
あれよあれよという間に
私の体温を約1度あげた。
『2週間ぐらいに延長になるかも』
「えっ」
さっきの月島さんの態度が
とても、引っ掛かった。
急に二転三転と態度を変えた彼女の最終的な顔は
寂しそうで
そして、泣きそうで
さらに、困った表情だったように、思う。
「先輩、何かあったんですか?」
いつもは恥ずかしくて
蒸発してしまうくらいに
湯沸かされてしまう私なのに
今は
ちょっと違って
食い下がるような態度をとってみる。
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