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「お兄ちゃん」 「なんだ」 「大丈夫だよ」 私がにこりと微笑むと お兄ちゃんはまた、一瞬目を見開いて 「私、大事にしてもらってる」 更にニコニコと返すと 「そうか、良かったな」 お兄ちゃんは笑いながら呟いた。 シャチにしろお兄ちゃんにしろ こうやって、気にかけてくれて 本当に有難い。 明日から先輩には会えないけど 2週間、お利口にして待ってるからね。 「で、ほんとーに、なんにもなかったんだな??」 疑い深そうな眼差しで しつこく食い下がるお兄ちゃん。 「お兄ちゃんとは違うもん お兄ちゃんがスルような事してないもん」 「なんだ、それ、オレがするような事ってなんだよ!」 ふん、と首を振って 「じゃ、おやすみー、お兄ちゃん」 私は立ち上がってリビングを出た。 お兄ちゃんが、待ちなさい!、って叫んだような気がしたけど 聞こえないフリをして 2階へと上がった。
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