5659人が本棚に入れています
本棚に追加
/155ページ
「お兄ちゃん」
「なんだ」
「大丈夫だよ」
私がにこりと微笑むと
お兄ちゃんはまた、一瞬目を見開いて
「私、大事にしてもらってる」
更にニコニコと返すと
「そうか、良かったな」
お兄ちゃんは笑いながら呟いた。
シャチにしろお兄ちゃんにしろ
こうやって、気にかけてくれて
本当に有難い。
明日から先輩には会えないけど
2週間、お利口にして待ってるからね。
「で、ほんとーに、なんにもなかったんだな??」
疑い深そうな眼差しで
しつこく食い下がるお兄ちゃん。
「お兄ちゃんとは違うもん
お兄ちゃんがスルような事してないもん」
「なんだ、それ、オレがするような事ってなんだよ!」
ふん、と首を振って
「じゃ、おやすみー、お兄ちゃん」
私は立ち上がってリビングを出た。
お兄ちゃんが、待ちなさい!、って叫んだような気がしたけど
聞こえないフリをして
2階へと上がった。
最初のコメントを投稿しよう!