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一見中学生ぐらいの見た目をした小柄な女の子。髪は綺麗な茶髪でサイドポニーテール。近寄ったときに良い匂いがした。
「…………どなたですか?」
「いや俺の台詞な」
翡翠色の大きな瞳に俺が映る。
「お嬢ちゃんもここの住民か?」
後ろに居る蓮之介が問う。
「むっ、あたしはお嬢ちゃんじゃないです。多分君たちより歳上だよ」
「いやいや、俺ら今年で十六だぞ」
「あたしは十七だよ」
「……マジで?」
「マジンガー」
まずそうとは思えないほどの童顔と未発達な体型。身長は百五十センチあるかないかぐらいだろう。いや、そんなことよりもだ。
「で、一個上の先輩がここで何してんだ」
「追ってを躱してた最中だよ」
「なるほどね、追ってを躱してたと。は?」
さも当然かのように返答され、判断が一瞬鈍ってしまった。蓮之介も頭上にハテナマークを浮かべて口を開けている。
「けどもう大丈夫だねっ。起こしてくれてありがとう君たち」
女の子は立ち上がって何事もなかったようにその場を去ろうとする。
「いやいやちょっと待てって。ちったぁ事情の説明してくれよ」
「え~。レディの諸事情に首を突っ込むなんて失礼だよ~?」
いや他人ん家の前で寝てたお前に言われたかない。
その言葉を残して、結局女の子は去って行ってしまった。
「蓮。なんかすげぇ街だなここ」
「いや多分俺らがある意味すごいだけだと思う」
自由奔放な女の子であることは直ぐに伝わった。しかしなぜか憎めないあのあどけなはずるい。
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