第一話 精霊都市と巨大学園

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 そうこうしているうちに、気が付けば入学先の普通科精霊高等学校、ウエイク高校校門前に到着した。スマホで時計を確認する。 「(よし、二十分切ったな)」  校門には大きな掲示板があった。そこには部活動や研究会募集の張り紙が隙間をも埋めるほど貼られている。 「へー。色んなもんがあるんだな」  そこには元素例基礎学研究会という眼鏡が似合いそうなものから、美少女研究会とフランクなものまである。眺めていて飽きないほど、多彩な研究会があり、その中でも俺の好奇心を湧き上がらせる研究会があった。 「幻想地探検会……?」  紹介文は取り敢えず幻想地について説いていて、文章量やえらくしつこく勧誘する様から、よほど他と比べて人員不足と伺えた。そして最後には幻想地は存在すると力説。これがスピーチだったら思わず拍手してしまうだろう。  まぁ、入らないけど。  多分大多数が俺と同じく、感心はするが入らない止まりだろう。  どの研究会に入るかは入学してからゆっくり決めたって遅くはない。部活動か研究会どちらかは絶対に入らなきゃいけないのがこの巨大学園の制度だ。 「(さ、帰るかな)」  軽い運動はできた。もう帰って風呂にでも入って寝よう。  しかし、気付いた。 「え、帰るのだるぅ……」  結局帰路に一時間を要する。踵を引きずるように歩けばそのくらいかかるさ。はぁ。
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