第一話 精霊都市と巨大学園

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「ふーん……。野郎二人で一部屋とか、寂しいヤツらだな」  え、なにこの人。色々と言いたいけど、その前にこの口調に咥え煙草の金髪ってもしかして。 「元ヤン? あ」  思わず声に出てしまった。 「あ゛ぁ?」 「すっ、すいません……」  思わず謝ってしまうほどの威圧感だった。生物として、危険を察知する。この人には逆らうなと。 「まぁいい。私が大家の鬼塚だ。お前らは……たしかどっちも雷坂だよな? 名前は」 「こっちの冴えねぇ顔してる方が勢刃です」 「殺すぞ。こっちの頭悪そうな外見してるヤツが蓮之介です」 「死ぬか?」 「仲良いなお前ら。ほらこれが鍵だよ。お前らの部屋は二階の七号室。つまり私の部屋の真上。言いたいこと分かるか?」 「匍匐前進で生活します」  命の危機を感じた俺の咄嗟な答えだった。 「そんな感じで頼む。じゃ困ったこと、分からないことあったらすぐ来い」 「あ、あの!」  蓮之介は扉を閉めようとする鬼塚さんを止める。早速質問だろうか。 「おいくつですか?」  やめろ俺も巻き添いで死ぬ。思った通り、眉間にシワを寄せてはこちらを睨む。怖すぎ。 「二十一だ」  そう答えてすぐにドアを閉める鬼塚さん。俺は生きている事に喜びを感じる。 「……いける!」  同時に蓮之介の後頭部に一発叩きをお見舞いしてやった。
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