第6章

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『アキラ様がお前に言ったの聞いて、俺かなり慌ててたんだからな!』 拗ねたようにむくれて頬を膨れさせるナオト。そんな様子は子供の頃からちっとも変わっていない。ナオキはくすくすと笑う。 『笑ってんじゃねーよ!』 『すみません』 そう言ったナオトとナオキは顔を見合わせ、二人で声を上げて笑った。 『あの…』 突然声を掛けられ二人が振り返ると、そこにはタカノリが立っていた。 『お前、後継者の…』 『タカノリです』 ナオトに問いかけられタカノリが名乗った。ナオキはタカノリに向き合うと彼の肩に手を置いた。 『どうかしたのか?』 タカノリはナオキの顔を見つめる。まただ。何かを言いたげなこの瞳。ナオキはタカノリに優しく笑いかけた。 『言いたいことがあるなら聞くぞ』 タカノリは一度俯いたが、顔を上げると口を開く。 『お二人とも、俺を覚えておられませんか?』 タカノリの言葉にナオトとナオキは視線を交わした。ナオトは少し首を傾げ、ナオキはもう一度タカノリを見つめる。 『俺もお二人と同じ「スノードーム」の出身なんです。「放浪者」となられたお二人は俺の目標でした』 タカノリは強い瞳を二人に向けるとそう言いきった。
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