第4章

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ショーキチは「放浪者の搭」の前に立っていた。ここに戻ると身が引き締まる気がする。 ショーキチは一歩一歩階段を上がって行った。仲間たちはもう戻ってきているだろうか。 塔の中に入ると守護者であるナオキを探す。まずは彼に帰還の報告をしなくてはいけない。 ある部屋に入るとショーキチは足を止めた。ナオキの姿を見てホッとしたのも束の間、その隣にいる小さなシルエットに気付いたからだ。 『まさか…』 ショーキチがぼそりと呟くと二人がショーキチに気付く。振り返ったナオキとナオトの姿を見てショーキチの顔が曇った。 『お帰りなさいませ』 ナオキがゆっくりと頭を下げた。そしてその隣にいたナオトがショーキチに近づいてきてにやりと笑う。 『お帰りなさいませ、ショーキチ様』 予想通りのナオトの言葉にショーキチは渋い顔をする。 『ナオトくん…呼び捨てでいいってば…』
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