第4章

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ショーキチは現在の「放浪者」の仲間たちの中で一番年齢が若い。だがナオトとナオキはショーキチよりも後に「放浪者」の後継者となった。 「放浪者」は先人を尊ぶ。そして目上の者を敬う。 故にナオキはナオトのことを「ナオト様」と呼ぶし逆らうことはしない。 勿論、ショーキチのことも「ショーキチ様」と呼ぶ。 だがナオトは… 『いやいや、先人であられるショーキチ様を呼び捨てになどできませんから』 そう言いながらニヤニヤしているナオトにショーキチは困ったような顔を見せている。 『ショーキチ様、お飲物でもいかがですか?』 まだ続けるナオトの肩にナオキが手を置いた。 『ナオト様、そろそろやめましょうか』 ナオキの言葉にショーキチの目に光が戻った。 『ナオキくん』 キラキラとした視線を投げかけるショーキチの様子にナオキは苦笑いを浮かべた。 『ショーキチ様も少しは慣れたらどうですか?』 『だって、ナオトくん…絶対遊んでるし…』 ショーキチの声がまた小さくなっていく。それを見たナオトは隣で爆笑していた。 『ショーキチはなんでナオキの様呼びは大丈夫なのに、俺にされるとそんなに困った顔すんだよ』
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