第1章

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ナオキは王の間を出ると、地平線の彼方に目を向けた。今日も朝日は姿を見せていない。 ナオキはまたため息を漏らした。 『王、どこへ行かれたのですか?』 そう呟いて搭を見下ろしたナオキの目に一人の男の姿が映った。ナオキは階段を下りていくと男の名を呼ぶ。 『ナオト様』 ナオトと呼ばれた男は立ち上るとナオキに笑顔を向けた。 『お戻りになっていたのですか?』 ナオキはナオトに並ぶとそう言って笑った。ナオトはバツの悪そうな顔をすると目を伏せる。 『いてもたってもいられなくてな。王はまだ?』 『はい』 『そうか』 ナオトはナオキの言葉を聞くと眼前の景色に目を向けた。 地平線は暗く、厚く覆う雲が太陽の光を遮っている。だが雲に遮られながらも、その向こうには輝く太陽がいるのは間違いないのだ。
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