第4章

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王はナオキに背を向けると玉座に腰を下ろした。 『もう誰か戻っているか?』 王がナオキに問いかけた。ナオキは顔を上げると頷いて見せた。 『ナオト様が王の不在時に戻られました。そして先ほどショーキチ様、ケイジ様、タカヒロ様がお戻りになられました』 『そうか。これからもっと騒がしくなるな。いや、すでに…かな』 そう言って笑う王の姿にナオキは微笑みを浮かべた。 『戻ったみんなにゆっくり休むように伝えてくれ』 『はい』 ナオキは頷くと立ち上り、王に頭を下げると王の間を出た。 『王が戻られたのか』 ナオキが王の間から出るとナオトが壁にもたれていた。 『はい』 『そうか』 ナオキの顔が少し寂しそうに見えたナオトはナオキの背中をばんと叩いた。 ナオキはそんなナオトに笑って見せる。 二人は顔を見合わせると一緒に階段を下って行った。
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