第6章

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「放浪者」たちの列に入ったナオキに、隣に立つショーキチが声を掛けた。 『お疲れ様、ナオキくん』 『まだ終わりではありません。ここから始まるのですから』 ナオキはそう言って不敵な顔で笑って見せた。 『そうだな』 『ええ』 ショーキチはナオキの前の守護者だった。だからこそ分かることがある。彼も守護者の任を解かれ、一人の「放浪者」となってからいろんなことを知った。 ナオキの「放浪者」としての人生はここからスタートする。 ショーキチは後継者たちとナオキの門出を自分の持てる力全てで迎えようと思った。そんなショーキチの想いはナオキにちゃんと伝わっていた。 後継者たちは一歩階段を踏みしめるたびに、自分たちの体が強張っていくのを感じていた。 だがそれに負けることなく力強く進む。そうしなければ「放浪者」として生きていくことなどできないのだから。 彼らの進んでいく前に「放浪者」たちの姿が見え始めた。 そこに並ぶ男たちこそ、彼らの憧れであり目標。そして彼らを束ねる王こそ、まさに伝説とも言えるべき存在。
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