第6章

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『ナオト、可愛いって言われて喜ぶなよ』 ケイジが言うとナオトはネスミスの横にいるケイジの顔を覗き込み、 『ケイジ様』 と微笑みかけた。やられたケイジは手で口を押え 『ごめん。可愛いわ、お前』 と俯いた。 『ケイジ、撃沈じゃん!』 と、アキラがケイジの肩をばしばしと叩く。 『あれは反則ですよ、あいつ分かってやってますよ、絶対!』 ケイジに言われた当の本人のナオトはケラケラ笑っている。 そんな様子を後継者たちは口をポカンと開けて見ていた。 『皆様、後継者たちが唖然としていますよ』 ナオキが苦笑しながら言うと、タカヒロが彼らに近づいて行った。 『驚いたかもしれないけど「放浪者」と言っても、みんな一人の人間だ。そして俺たちは同じ使命を担う同志であり、家族なんだよ。君たちも家族の前ではこんな風に笑うだろう。俺たちは家族。それを忘れないでくれ』 にっこり微笑むタカヒロに後継者たちの視線は釘付けになっていた。
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