第6章

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王が立ち上がり姿を消すと、「放浪者」たちも一人また一人と姿を消していく。 『ナオキ、あとで話がある』 ナオトは立ち去る前にナオキにそう言った。ナオキが頷くとナオトは口許を緩めて背中を向けた。 『では君たちの部屋に案内しよう』 ナオキは後継者たちに向き合うとそう声を掛けた。後継者たちは黙って頷くと先を歩くナオキについていく。 「王の間」を出て階段を下り塔の中へと入ったナオキはある部屋の前で止まった。 『ここはアラン、メンディの二人が使え』 言われた二人は少し驚いていた。 『名前をご存知なのですか?』 問いかけられたナオキは頬を緩めそれに答えた。 『王から詳細は聞いているのでね。名前くらいは頭に入れているよ』 そう言って微笑むナオキの優しい笑顔が五人の緊張を和らげていく。二人はナオキに頭を下げると部屋へと入った。
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