15人が本棚に入れています
本棚に追加
/90ページ
『マジかよ』
ナオトは相好を崩しタカノリをじっと見つめるが、やはり首を傾げる。
二人の姿を見つめていたナオキの頭にふと声が浮かんだ。
「俺、ナオ兄たちの踊り好きだ!」
「だからナオ兄って呼んだら、俺かナオキか分かんねーだろーが!」
「大きいナオ兄とちっちゃいナオ兄!」
「ケンカ売ってんのか、あ?」
「ナオトさん、子供の言うことですから」
ナオキが思い出したその記憶の中の子供は、目の前にいるタカノリに間違いなかった。
ナオキはタカノリに歩み寄るとその肩を掴んだ。
『タカか?』
ナオキに言われてタカノリはポカンと口を開ける。そして彼はその瞳から大粒の涙を零した。
『ナオ兄…』
タカノリはナオキに抱きついて声を上げて泣き出した。そんなタカノリをナオキは優しく抱き締めると、タカノリの頭をぽんぽんと叩いてやった。
最初のコメントを投稿しよう!