第6章

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『ナオキ?』 『ナオトさん、覚えてませんか?俺たちが踊ってると必ず見に来てた子がいたのを?』 『ああ!あのチビ…』 言葉を止めたナオトにナオキが目を向けると、今度はナオトがぽかんと口を開けている。 『ナオトさん?』 『ナオキ、今お前…俺のことナオトさんって呼んだ』 『あ…』 言われたナオキも驚いていた。記憶の中で呼んでいたように無意識にナオトを呼んでいたからだ。 『すみ…』 『謝んなよ!俺、今めっちゃ嬉しいんだから!』 大きく目を見開いたナオトの顔が一際輝いて、まるで子供のようなあどけない笑顔でナオトは言った。 『ガキの頃に戻ったみたいだな』 『はい』 ナオキも照れくさそうに笑う。ナオトは二人に近づくと 『で?お前はいつまで泣いてんだよ!』 ナオキにしがみついているタカノリを茶化すように笑った。 『……ナオ兄…』 『だーかーらー!ナオ兄じゃ、俺かナオキか分かんねーって言っただろーが!』 『ちっちゃいナオ兄…』 『まだそう呼ぶか?』 ナオトが目を細めて言うとタカノリはナオキから離れ、涙を拭いながらナオトに向き合った。
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