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ナオトが戻って三日。ナオトは毎日ナオキとこの階段を上っていた。そして途中まで来るとナオトは歩みを止める。
『では、ナオト様』
ナオキはナオトに一礼するとそのまま階段を上って行く。
王の不在時に、王の間に入れるのは守護者であるナオキだけ。ナオキは歩みを止めることなく階段を上がる。
階段を登りきるとナオキは振り返り彼方の地平線に目を向けた。だが今日も暗い雲の向こうの太陽は顔を出してくれそうもない。
ナオキは王の間に入ると、玉座への階段を上る。今日も同じように空の玉座を見つめるのだと思っていたナオキの目にいつもとは違う光景が映る。
玉座があるべき場所の前に、さらに五つの玉座。その五つの玉座が眩い光を放っていた。
ナオキは自分のポケットからあるものを取り出した。
その手の中で光を放つのは水晶の玉。ナオキはその水晶の玉を五つの玉座に向ける。
すると、まるで玉座と呼応するかのように水晶の輝きが増した。
刹那、ナオキの持つ水晶の玉から光が弾けた。その光はまるで意思を持っているかのように王の間から飛び出していった。
帯を引いて走り去る光を見送ったナオキは呟いた。
『王が姿を消した理由はこれか…』
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