終章

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『あの光は人々の願い。この「放浪者の塔」は「願いの塔」とも呼ばれている。人々の願う想いが集まる場所でもあるんだ』 アツシが答えるとメンディが呟いた。 『願い…だからあんなにも力が…』 アツシはその言葉を聞いて微笑みを浮かべる。 『僕たちにできる事なんて本当に微々たる事だよ。全ては人々の願う気持ちが僕たちに力を与えてくれるんだ。だからこそ僕たちは与えられるものすべてに感謝して、それを人々に返していくのさ』 アツシの言葉に後継者たちは大きく頷いた。与えられた力がいかに大きな物なのかを、彼らはその身を持って感じたのだ。 彼らは立ち上った。人々の願いが自分たちの中に溢れている。そう思った途端に体に力が漲っていく。 彼らはこの時、「放浪者」としての一歩を踏み出したのだ。
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