第1章

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翌日、日が暮れる頃に五人は集まって沼へと向かっていた。沼にある小屋には魔女と呼ばれる女性が住んでいる。実際その女性が魔女なのか定かではないが、誰も近づかない暗い沼地に住むその女性が試練の方法を教えてくれるらしい。 まるで闇に支配されているかのような暗闇。五人が進んでいくと、暗闇に小屋の明かりが浮かぶ。 『あそこだな』 彼らは小屋の前に立って扉をじっと見つめていた。皆、無言で顔を見回している。 ぎぃ 静寂の中に扉の開く音が響く。それはまるで叫び声のような不気味な音だった。 『そんな所にいないで中に入りな』 女の声が響き、まるで導かれるように五人は小屋の中へと入って行った。中に入ると奥にある木製の机の奥に一人の女性が座っていた。彼女は金で編まれたベールのようなもので顔を隠していて、その表情を見ることはできない。 五人は部屋の中央まで進むと歩みを止めた。 『お前たちが試練を受ける五人だね』 女は一人一人の顔をじっくりと見つめていく。そんな中ケイジが口を開いた。 『あんたが魔女か?』 『ケイジ!』
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