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ケイジの言葉にテツヤが咎めるような声を上げた。他のみんなはケイジを窺うようにチラチラと視線を送り、ショーキチはあからさまにヤバいと言いたげな顔をしていた。
そんな彼らとは対照的に女はくすりと笑う。
『面と向かってわたしを魔女と呼んだのはお前が初めてだよ』
女は楽しげな声でそう呟くと立ち上った。そして彼らに近づいて行くと腕を組む。
『わたしのことはシャーマンと呼びな』
『シャーマン?』
ケンチが聞き返すとシャーマンは軽く首を傾げる。テツヤが何かを思い出したように
『シャーマンって精霊使いの事だろ?』
そう言った。それを聞いたシャーマンはまた楽しげな声で答えた。
『よく知っているね、テツヤ』
『俺の名前…』
『わたしは全てを知っている。だからこそシャーマンと呼ばれているのさ』
『で、俺らは何をすればいいんだよ?』
二人のやりとりを見ていたケイジがシャーマンに向かって尋ねる。が、彼女はケイジの頬を指でなぞるとにやりと笑った。
『せっかちだねぇ。そんなんじゃ女は口説けないよ』
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