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『お前はあの姿が嫌いだったねぇ』
『うるせーよ』
ふてくされてそっぽを向くケイジを他の四人が声を殺して笑う。ケイジが彼らを睨むと彼らは慌てて目を逸らした。
『やむを得ずの場合以外、獣の姿にはならないこと。狩りの時はかまわないがな』
一通りの説明が終わり彼らが小屋を出ようとした時だった。彼らを見送りに出たシャーマンが言った。
『皆、無事に戻っておいで』
そう言った彼女の声は、まるで母親が子供に掛けるようなとても優しいものだった。
彼らは振り返ると黙って頷いた。
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