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まるで海のような深い青い空で大きな鷲がその翼を広げていた。彼はその翼を羽ばたかせ優雅に空を飛ぶ。
そして旋回した彼は眼下に広がる草原に佇む男の姿を確認し地上へと降りた。
大きな翼を広げ草原に降りた彼はその姿を変えた。
『ケンチ』
『おー、テツヤか』
人の姿になったテツヤは草原の真ん中で空を見上げていたケンチの隣に立った。
『何やってんだよ』
『いや、空が高いなと思ってさ』
そう言いながらケンチはまだ空を見上げている。
『俺もお前みたいに空が飛べたらな…』
ケンチはそう言うとテツヤに視線を向けた。少しだけ羨望とも見えるその視線にテツヤは鼻をこすった。
『一緒に飛べたら最高の気分だろうな…』
しかしそれは無理な話。ケンチは人の姿になれば細身だが、彼の真の姿はバッファロー。巨大なその姿は今の彼の姿とはまるで違う。
ケンチが寂しげな顔をしていると遠くの方から地響きが近づいてきた。
『なんか来たな』
二人が音のする方に顔を向けると、すごい勢いでライオンの群れが近づいてきた。
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