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「ワシやお主、その他の者も大多数はグアラナスティンに籍はない。が、私の父やお主の祖母のように、グアラナスティンに籍を置いた者もいる。それを理由に強硬的な手段にでないとも限らん」
このフロイテ族長国はまだ誕生して百年と少ししか経っていない。私の祖母や族長の父である前族長などがグアラナスティン王国を出て雪山山脈を越え作り上げた国、それがフロイテ族長国である。
つまり私達とグアラナスティン王国の民は元は一つの一族なのである。
その祖国と言えなくもない国が強硬的な手段を取るかもしれない。
ここでいう強硬的手段とは間違いなく戦争の事だろう。
「それはあまりにも強硬的では?」
「ワシもそう思う。このフロイテで生きる者達の大半はもうグアラナスティン王国の地を知らぬ者達だからな。だが、楽観視もできぬ」
族長は口には出さないが前回の会談で何かがあったのだろう。
あまり顔色が宜しくない。
「常に最悪を想定せねばならぬ。砦の建設、頼むぞ」
「はっ。お任せください」
私がしっかりと返事をすると族長は満足そうに頷き、窓の外に視線を向ける。
窓からは今も忙しそうに色々な者が飛び交っているのが見える。
「最後に一つ、個人的な話をいいかの」
「はい」
「今、ワシが族長の座を譲ろうと思っていると言ったらどう思う?」
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