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＊～まかれてはじまることもある～＊
遥か遥か昔より―――
蜘蛛の国からも蠍の国からも遠く遠く離れた密林の向こうに、それはそれは美しい美形揃いの国があると言われている。
金持ちや一国の主など、その国の美しき女人を求め、金や権力にものを言わせ『彼の国』を探したが、どれだけの年月が経とうとも、未だ痕跡すら見つからず。
己も美しい妻を娶りたいと夢を抱き、その国を目指し旅立った若者たちも数えきれぬほど多数いる。
見つけられずに廃人のようになり帰ってきたならまだ良い方…
何年も行方不明のままの者もいるのだ。
いつしかその国は呪われた夢幻の国だと噂され、やがて誰も目指すものなどいなくなった。
そう、たった今までは…
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