プロローグ SIDE A

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病院にしては随分広い。大部屋にしてもベッドが多すぎる。 ざっと見ただけでも100個近くはある。 記憶が欠落したかのようだ。 アコは何故自分がこのような知らない場所にいるのかわからなかった。 昨夜のことを思い返そうとするが、モヤがかかったように何も思い出すことができない。 アコと同じようにベッドの上にいる人々は年齢も性別もバラバラ。 男も女も。大人も子供もいる。 眠っていたり起きていたり、行動は様々だ。しかし皆同じ服を身に着けていた。 入院患者のような服。 体の横で紐を縛って固定する形。色はオフホワイト。すごく簡素な物だ。
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