プロローグ SIDE A

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何台も並ぶベッドの奥にある突き当りの壁。 それはよく見ると周囲の白壁とはどこか違っていた。 数人の人間がそのおかしな壁の前に群がっている。 アコは裸足の足を床にペタリとつけて立ち上がった。 床は人肌より少し冷たい。見た目より柔らかい。ゴムのような素材でできている。 隣のベッドにいたカビみたいなヒゲを頬まで生やしたおじさんはアコの胸を見た。しかし、すぐにふいと視線を逸らした。 下着もつけず薄い服1枚でいることに抵抗はあった。 しかし上に羽織れるような物などない。 アコはそのまま奥の壁に向かってペタペタと歩いた。
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