プロローグ SIDE A

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トラ猫が出入りしたドアには鍵。四方の壁にドアはない。窓もない。誰かが出入りしている様子もない。 途方に暮れたアコは始めに目覚めたベッドに戻り、横になった。 枕に頭を乗せた時、ゴツゴツとした感触を感じた。枕の下に手を突っ込む。 子供の拳くらいのサイズの緑色のガチャガチャのカプセルがあった。 軽く力をいれると、カプセルはあっさりと開いた。 中に入っていたのは『3時間D』と書かれた、紙切れだった。名刺サイズを2つ折りにしたみたいな紙だ。 アコが紙切れを眺めていると、1人の男が近づいてきた。 ひょろひょろしたカマキリのような男だ。
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