54人が本棚に入れています
本棚に追加
遊は微笑み、伸ばされた手を取り、甲に口づけを落とした。
上掛けを体から剥ぎ取り、真人の帯はそのままに、襟元を広げ胸をはだけさせる。
灯篭の灯りで赤みを帯びて見える真人の肌が、蜜柑の皮を剥いた時の甘い果実の様に眼前に露わになる。
遊は真人の首筋から胸の中央を指先でなぞりながら、ヘソのくぼみへと滑らせた。
真人の表情は甘く蕩け、緩んだ口元から甘く吐息を吐いていた。目線だけ動かし、遊の行動を見つめている。
その様子に遊は口角を上げて微笑むと帯下の布をめくり、身体の中央で立ち上がったものに軽く触れた。
「!んっ……」真人から甘い吐息が漏れる。
「……もう、こんなに濡れてる」
指摘されて、真人の顔が一気に赤く染まるのが、薄暗がりの中でも分かるほどだ。
遊はその様子を満足気に眺め、舌先で乾いた下唇を舐めた。それから手を離し、自分の着物を乱暴に取り去り、汗で肌に吸い付いていた前髪を掻きあげた。
毎日の力仕事で陽に焼けた肌と程よく筋肉のついた胸板が雄の猛々しい色気を放っていた。
最初のコメントを投稿しよう!