幸多郎物語 2.

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「そうだな~......今回の罰ゲームは、あの青い星で行うとするか。ちょうど明日はまんまるいお月様、満腹月夜だ。さぞ、たくさんの人々が有難がって月にお祈りをするだろう。 時刻は.....ナナチ星、あの天頂で輝く七つ星の四番目の星が輝いた時でどうだ? 地上の月見の儀式では、祈りをあげた最後にお酒を額に塗りあうんだ。 その瞬間に一組の願いを叶えてあげるってのはどうだ?その願いの内容がなんであれ、絶対に叶えてあげること。どうだい?星絆なら簡単だろ?」 星空は額にかかった金色の髪を掻き上げながら、口角をあげてにやりと笑った。 彼らがお酒の滴を額に塗りあう意味。 月の光を注がれた酒を額につけると、体と精神が浄化されるのだと言われている。 願いの内容が簡単なものであればいいな、と星絆は単純にそう思いながら、分かったと首を縦に振った。
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