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「遊、ごめんね。俺が男だったばかりに遊の子供を生むことができなくて。もし、子供がこの家にいたら、親子で笑いあうことができるのに。
その子が男の子だったら遊は一緒に畑仕事ができるでしょ。女の子だったら僕は一緒に家の仕事ができるよ。親子で毎日楽しく暮らせるのにね」
そう言って真人は力なく頭を垂れました。
遊は真人の両手を取り自分の膝に置いて「確かに子供がいたら親子で仲良く暮らせるだろう。でも真人、俺は真人と一緒にいるだけで幸せだよ」
そう言って微笑んで真人を腕の中に抱き寄せ、背中を優しく撫でました。
「ねえ、真人、昼間に会った旅の人が教えてくれたんだけど、明日の夜、満腹月の夜なんだそうだよ」
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